腸内細菌と畑とアシナガバチと

 グルテンフリーと化学物質にまみれた食べ物から逃れる食生活を続けて3年半。おかげさまで、重症だった花粉症(32年歴)やアレルギー性鼻炎はほぼ治り、辛かった慢性胃炎は一度も再発したことはありません。年に1〜2度は必ずひいていた風邪も一度もひいていません。そして、17年間飲み続けたバセドウ病の薬も、先生に内緒ですが、徐々に減薬しながら、ついにこの春にやめてしまいました。まもなく4ヶ月になりますが、バセドウ病特有の動悸も不整脈も、頻脈も、疲労も、手の震えも、眼球異常も起こっていません。それどころか、益々体調は良くなりました。痩せて老け顔になった以外は(笑)100点満点の健康状態です。

 さて、あいかわらず全国の養蜂家が農薬被害で苦しんでいます。特にネオニコチノイド系農薬は、浸透性・残効性が強く、農産物に吸わせておいて守るしくみです。いまや野菜は殺虫剤です。ですから、その農産物に花が咲けば蜜や花粉にも農薬が出るのです。近頃も、愛媛県のみかんのハチミツから残留基準値超えの農薬が検出し回収する騒ぎがありました。たとえ成虫が死なない微量であっても、小さな体の次世代の幼虫たちに影響が出て、知らぬ間に蜂が減ってしまうのです。また、この農薬は、神経毒のためミツバチの脳に影響します。働きに出た蜂が戻れなくなるなど「蜂群崩壊症候群」の原因とされ、欧州各国では、すでに使用禁止となっています。
 蜂だけでなく、広大な水田に隣接する自宅の周りでは、カブトムシやアゲハ、カマキリなど、昔人気だった虫たちを見かけなくなりました。大好物のイナゴもいません。スズメも激減しました。農薬による身近な自然の環境破壊は本当に深刻です。
 このネオニコチノイド農薬を調べて驚いたのは、私たち人間の子供達の発達障害の原因の一つと危惧されていることです。子供だけでなく成人のうつ病や癌やアレルギーが激増していることにも影響があるらしいと。
 そんなことを知ってから、市販の野菜が怖くなり、4 年前から家庭菜園を始めました。収穫した野菜は本当においしいです。もちろん、農薬も化学肥料もいっさい使いません。今年から半分は自然農の非耕起栽培にもチャレンジしています。
 とはいえ、まだまだ収穫量は少ないし、本業が忙しく秋野菜は作れませんので、3年前から隣町の無農薬有機栽培農家のはしもと農園から定期購入しています。10日に一度千円でたっぷりの野菜が届きます。ご夫婦で真っ黒に日焼けして農作業をしてくれています。手作り味噌も本当においしいです。これは「保存料」や「食品添加物」が入っていないのでありがたいのです。はしもと農園はうちのライフラインです。
 私は、腸内細菌を減らす保存料や防腐剤など石油から作られた食品添加物もなるべく摂らないようにしています。3年前に出会った友人が、ひどいアトピー性皮膚炎と肝炎を、食品添加物を摂らないようにして治した話を聞いたからです。加工食品は、必ず原材料名を見ます。すると、ほとんどの食品やお菓子に入っているので買えません(笑)。妻の素材のみでの料理が一番ありがたいです。
 先日、食品添加物評論家の阿部司さんの講演を山形市で拝聴してきました。様々な食品添加物と遺伝子組み換えで作られたブドウ糖加糖液糖やサラダ油などを使って、おいしい清涼飲料水やとんこつスープ、コーヒーフレッシュ、チョコレート、マーガリンなどを作って見せてくれました。
「世界一食品添加物や農薬を食べている日本。私たちが楽に簡単に安く食事できるのは食品添加物のおかげ。しかし、その裏で私たちは何を得て、何を失ってきたのか」と。養豚業者が売れ残りのコンビニ弁当を毎日豚に与えたらチョコレート色の羊水から奇形の子豚がたくさん生まれた話は衝撃的でした。
 アレルギーも癌も二人に一人が発症する時代。スポンサー付きのテレビは早期発見・早期治療を勧めますが、なぜ急激に増えているかという疑問にはけっしてふれません。
 私は、ほかにも、戦前はなかった牛乳や塩素水道水、精製塩もやめました。水は工房の無塩素水をタンクに汲んで、塩はミネラルが半分入っている昔ながらの天然塩にしました。
 「よくそんなストイックな食生活を続けていられるね」と度々言われます。やはり3年半前にインターネットで知り、医者もテレビも奨めないグルテンフリー(小麦絶ち)を始めたのが一番の理由です。私を蝕んでいた様々な症状が劇的に改善しました。
 日本で使われている小麦粉のほとんどは輸入品です。収穫時に枯らして容易に収穫するために使う除草剤が残留し、製粉すれば酸化防止剤が入れられ、薬品を使って脱色し、輸出する時は品質保持のためにさらにポストハーベスト(収穫後農薬)が入れられます。胚芽を取るので糖質以外栄養もありません。
 汚染された小麦により小麦アレルギーが発症し、小麦抗体が消化器官を荒らし、特に腸が荒らされ腸内細菌が減りデトックス(排毒)できなくなると、様々なアレルゲンに反応する炎症人間が作られてしまうのです。せめて鼻水や涙でデトックスしようとする体の健気な反応が花粉症だと。花粉症の犯人は花粉ではなかったのです。そして、腸が荒らされると免疫細胞も作れなくなるので体の抵抗力もなくなり風邪や病気に冒されやすくなると…。
 4年前、未だ国は治療に活かそうとはしていませんが、私の持病でもあるバセドウ病の本当の原因はヘルペスウイルスだという世界的な発表が鳥取大学の長田佳子教授によりなされました。とすれば、小麦など汚染食品により私の免疫細胞が減らされ、おとなしくしていたヘルペスウイルスが優勢となりバセドウ病を引き起こしたということになります。
 この小麦アレルギーは、遅発型といって、すぐに体が反応しないので気付かずにいる人が日本には4人に一人いるとされます。私もその一人だったということです。
 テニスのノバク・ジョコビッチは、グルテンフリーで喘息を治して世界ランキング王者になり、本を出版し世界中にグルテンフリーを勧めました。私はグルテンフリーをして、医者もテレビも伝えないことにも真実はあることを実感しました。
 そして昨年春。はしもと農園の手助けになれるのではと、駆除依頼があったアシナガバチを巣ごと生け捕りして移住させることを成功させました。アシナガバチは、畑の害虫のイモムシ類を狩ってくれるのです。もちろん、アシナガバチを置けば万全というわけではありませんが、手立ての一つとしては大変有効です。
 常々私も、益虫のアシナガバチを、なんでみんな簡単に殺虫剤をかけてしまうんだろうと心を痛めていました。アシナガバチは、とても温厚で、巣に近づいたり、ぶつかったり、触ったりしなければ刺さないのです。
 そこで私は、このアシナガバチの畑移住を全国に広めることにしました。そうすれば全国の無農薬農家の手助けになり、それが話題となり、益虫復権ができれば、全国のアシナガバチを救うこともできます。さっそく、ブログを作り、畑に移住させる方法の動画を3本作ってYoutubeに投稿し、実地研修会や講演も勢力的にしております。
 以上、前置きの長い近況報告失礼しました。


アシナガバチ移住プロジェクト


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ハチ蜜の森キャンドル